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福岡・小郡のやさしい調剤薬局

薬剤師は衛生面から基本的には爪は短く切っている人が多いですが、私は片手の親指の爪だけ少し伸ばしています。

 

なぜかというと、一包化(薬を用法ごとに分包機で袋に入れる作業)するときに、シートから錠剤を出すのに、少し爪が伸びてないと薬が出しにくいからです。

 

短い爪の状態で分包するのは、指がかなり痛くなるのです。

 

でも、私は年に一度、親指の爪を短く切る日があります。

 

 

 

 

それは、ピアノの発表会の前日。

 

 

 

 

 

ピアノを弾くときに、親指の爪が伸びていると少しばかり弾きにくさがあります。

 

でも仕事だから、と我慢しますが、年に一度の発表会の前にはかなり短く切ります。

 

 

 

今年は私(と子供たち)が通っているピアノ教室VIEW MUSIC STUDIOがついに20周年! すごい!!

 

 

思い起こせば私が大学院生の頃、実験の待ち時間に散歩しているとき、たまたま見かけたのがこのピアノ教室でした。

 

 

フラッと中に入り、ピアノの先生と話し、即入会(笑)

 

 

そのころはピアノ教室も今の場所にできたばかりで生徒も少なかったのですが、今ではたくさんの生徒さんがいます。

 

 

先日の発表会では子供の生徒さんが多かったのですが、以前は大人の生徒さんもたくさんいました。

 

 

しかし、コロナ過で数年間発表会ができず、大人の生徒さんは減りました。

 

 

ピアノレッスンは基本的に個室の防音室ですからね。感染リスクも高まります。

 

 

でも、ピアノ教室でちゃんと感染対策をして、先生は一度も新型コロナウイルスに感染せず、ついにその時期を乗り越えて、20周年という節目に発表会を行うことができたのです。

 

 

もう、感無量です。

 

 

今年は初めてホールでの発表会。グランドピアノが大きい!!!

 

↑私はピアノソロ(ノクターン作品9‐2:ショパン)と息子とピアノ連弾(キャラバンの到着)を演奏

 

 

↑そしてピアノ教室の音楽仲間と共演。母(ピアノ)と小3の息子さん(ドラム!)、そして音楽仲間がベースを弾き、私がアルトサックスを吹きました!(虹:菅田将暉)

 

 

いやー・・・私はボロボロでした(笑)

 

 

でも、尊敬する先輩薬剤師や友人、親族も応援に来てくれた。

 

 

久しぶりにピアノ教室の音楽仲間にも会えた。

 

 

以前小さかった子供の生徒さんたちも見違えるように大きくなっていた。

 

 

その子たちの素晴らしい音楽を聴くことができた。

 

 

新しい生徒さんもたくさん増えた。

 

 

私の演奏で先生が涙を流してくれた。

 

 

それだけで、私が音楽を続ける意味はある。

 

 

 

私は裏方の手伝いをしていたので舞台袖にいましたが、演奏を終えて「ホッと」した生徒さんたちの笑顔を見ることができたのは、裏方の特権でしたね!

 

 

みんないい顔してた。

 

 

ピアノ教室と歩んできた20年。

 

 

もう20年も経ったのか。

 

 

でも間違いなく、このピアノ教室は私の人生に彩りを与えてくれました。

 

 

また来年も、再来年も、親指の爪を短く切るとき、緊張とワクワク感、そして充実した音楽人生に感謝をすることでしょう。

 

 

先生、指が動く限りピアノを弾き続けますので、これからもご指導よろしくお願いしますね。

 

 

勢島 英

2023年4月18日、「第1回宝台健康アカデミー」を開催しました!

昨年の11月に一度、宝台団地でのお薬相談会&座談会を行ったのですが、
今回から名称を変更し、今年度合計4回を予定しています。

 

 

前回同様、オリーブ薬局様、UR都市機構様と一緒に開催しました。

 

そして今回から福岡大学薬学部にも協力していただくことになりました!

 

私は十数年前、福岡大学薬学部の大学院に通っており、
そこでお世話になった先生方とまたこうして一緒に仕事ができるというのは縁を感じますし、
とてもうれしく思います。

 

 

 

この日はは宝台団地にお住まいの18名の方が参加。

 

 

まず前半は私が「コロナ禍が認知機能に与えた影響」や「フレイルについて」
そして「外に出て体を動かすことがフレイル予防になり、認知症予防になる」
ということをお話ししました。

 

その後は、福岡大学薬学部の先生方と学生さんが
「ものわすれチェック」
「生活状況チェック」
「ロコモ(ロコモーティブ シンドローム)チェック」を行い、
さらには身長、体重、握力、血圧測定を行いました。

 

私たち薬剤師はその結果をふまえてアドバイスをしたり、
薬の悩み、介護の悩みなどを個別にお話ししました。

 

 

お待たせする時間が長かったり、当日はなかなかスムーズに行きませんでしたが、
福大の学生さんや当局に学生実習に来ている学生さんたちが
来場者の方といろいろお話をしてくれました。
学生さんたち、ありがとう!

 

 

今回のデータは福岡大学薬学部の先生方が解析してくださいます。
そして、それを積み上げて、宝台団地の皆様にフィードバックし、
またそれが他の地域の皆様の参考になれば幸いです。

 

そして私たち薬剤師も地域の現状、一人一人の現状を知ることで、
問題を把握し、周りの方々と協力して地域の役に立ちたいと思っています。

 

 

「人生の幸福度は、年収や学歴、職業では決まらない。

友人の数でもなく、結婚の有無でもなく、身近にいる人たちとの人間関係の質が最も大切だ。」

 

 

そう話したのは、
ハーバード大学が80年以上続けている成人発達研究を担当するロバート・ウォールディンガー教授。

 

私もこう見えて(?)実は人と話すのはあまり得意ではなく、
つい一人で読書や音楽に没頭してしまうのですが、
それでも患者様や宝台団地の方々とお話しすると、やっぱり人とのつながりっていいな、と思います。

 

 

信頼は簡単には形成されず、崩れるのは早い。

 

 

一回の活動で自己満足してはいけません。
これからも少しずつ皆様と信頼関係を作っていきたいと思っています。

 

 

それにしても、ご高齢の方々の笑顔ってほんと素敵ですよね。

 

 

少しずつ少しずつ齢を重ねるごとに刻まれていく顔の「シワ」というのは、
笑顔をいっそう素敵にするためにあるのではないでしょうか。

 

 

勢島 英

早朝に出勤し、溜まっていた仕事を終わらせようと思っていましたが、止めました。

 

 

そしてこれを書いています。

 

 

 

 

坂本龍一さんの訃報。

 

 

 

癌で闘病中ということは前々から知っておりましたが、やはりショックでした。

 

仕事柄、いろんな病と闘っておられる方々と関わります。

 

その方々と話す度に、いろんな思いが頭を巡ります。

 

そして、人間の生命力というものをものすごく感じます。

 

本人にしかわからない思いが生命力として、溢れ出てきます。

 

身体は病に侵されていても、生命力は増すのです。

 

だから私たち医療従事者や介護従事者は、なにか少しでもそのお手伝いができないか、
と試行錯誤を続けるのです。

 

 

坂本龍一さんの代表作の一つ「戦場のメリークリスマス」は、昨年のピアノの発表会で弾きました。

 

ピアノの発表会といっても、ここ数年は私が通っているピアノ教室もコロナ過で開催できず、ビデオ撮影のみ。

 

新型コロナウイルス感染症や様々な病、飢餓、紛争、そしてロシアのウクライナ侵攻でも多くの人が亡くなり、
今もなお苦しんでいる方々がたくさんいます。

 

私はクリスマスの街の雰囲気がとても好きですし、家族とも楽しみます。

 

その一方で、クリスマスにも楽しめず苦しんでいる方が必ずいるということを忘れてはいけないと思い、
この「戦場のメリークリスマス」を弾いています。

 

ピアノ教室で先生が撮ってくださっていた私の演奏がYouTubeにあがっていました。

 

とても下手な演奏です。

 

言い訳ですが、ピアノの先生とカメラの前だけで演奏するというのは、ものすごく緊張しました(笑)
指が震えていると思います。。。言い訳です(笑)

 

でも、私が毎日練習しており、家でもこの曲のCDを流したりしていると、
息子もこの曲をやってみたいと練習していました。

 

そして娘も、いつかこの曲を弾きたいな、って言っていました。

 

 

坂本龍一さん、ちゃんと受け継がれています。

 

 

ずっと平和への思いを語っており、音楽でも表現していた坂本龍一さんの思いが、
こんな小さな一家族にも、受け継がれています。

 

 

私は指が動く限り、この曲を弾き続けます。

 

 

あの発表会の演奏よりはちょっとは上手になったかな。

 

 

坂本龍一さんに感謝を込めて。

 

 

勢島 英

雨の日に車に乗った時に毎回思うのは、
ワイパーのリズムとオーディオから流れる音楽のリズムがぴったり一致しないかな、ということです。

 

今まで一度たりともぴったりそろったことはありません。
そもそもワイパーがどれだけ正確に一定のリズムを刻んでいるかもわかりません。

 

ただ、いつかそんな偶然があったらものすごく興奮するだろうな、って思います。
それをセレンディピティと呼ぶのかシンクロニティと呼ぶのかわかりませんが。
だから別にメトロノームでリズムを調べて同じテンポの音楽をかけてみようということは思いません。

 

さて、セレンディピティは「偶然の産物」なんていわれますが、
ちょっとしたセレンディピティがあると少し気分がいいですよね。

 

病院や薬局に来られる方は病気等で気持ちが少し落ち込んでいる方も多いので、
そこにセレンディピティがあると少し気分が良くなる方もいらっしゃると思います。

 

私たちの薬局もそれを目指しています。それは時には笑顔だったり、
ちょっとした声かけだったり、小さなことかもしれません。

 

数年のコロナ禍で人と会う機会が減り、
必然的に皆様のセレンディピティも減っているのではないでしょうか。

 

特にご高齢の方は、デイサービスに行きたくても行けなくなったり、
家族とも会えなかったり、どうしても自宅に引きこもってしまう方も多くなっているようです。

 

 

 

 

昨年11月22日に、宝台団地(福岡市城南区)で薬局薬剤師との座談会・相談会を開催しました。

 

このイベントはUR都市機構様にお話をいただき、近隣のオリーブ薬局様(健康サポート薬局)と
当局(やさしい薬局 長尾店)で一緒にイベントを開催しました。

 

まず感動したのがUR都市機構の方々がこんなに宝台団地の入居者様のことを考えているんだ!
というのが一つ。そして話し合いを重ねるたびに、
私たち地域の薬局とも通じるところがたくさん見つかり、
協力したら宝台団地にお住いの方や地域の方のために役立つことがなにかできるのではないか、
と思いました。

 

 

これもセレンディピティ。

 

 

そして開催したのが↓です。

 

自治会長様のご協力もあり、開催することができました。
今回は第一回目でしたので、まずはオリーブ薬局の渡邉様に「活用しよう!あなたの街の調剤薬局」と
「保湿剤の使い方」をお話ししてもらい、そのあとは薬や健康のことなど個別に相談を受けました。

 

 

今後も定期的に続けて、いろいろ皆様のお話を聞いたり、他の職種の方ともコラボしたりして、
若い方からご高齢の方まで地域の皆様のお役に立てるよう、
UR都市機構様、オリーブ薬局様と一緒に考えていきたいと思います。

 

 

そして、足を運んでくださった方に少しでもセレンディピティを与えることができたら幸いです。

 

 

 

上の写真でなぜ私が手に包帯を巻いているかというと、
その当日に小走りで発熱外来の患者様に対応している途中で転びました(笑)

 

 

結構血が出て、足首もひねり、ボロボロになりながら宝台団地の集会所に向かいました。

 

 

UR都市機構様、オリーブ薬局の方々から、心配・・・はされず、笑われました(笑)

 

 

 

転んだことで自分の身体能力の低下を実感し、改めて体力作りをしようと決めた2023年。

 

 

先日、朝一人でウォーキング。往復一時間くらいのところの神社に行ってお参りをし、
そこの茶屋で小休憩。

 

 

お客さんもまだ少ない時間帯。外が見える端の席に座り、静謐な時間の中、
とても美味しいコーヒーを飲みながら好きな本をしばらく読んでいました。

 

 

幸せな時間。

 

 

会計の時に、店員さんから「私も本の虫なんです。あそこの席で本を読む方はとても好きです。
コーヒーはお口に合いましたか?」と笑顔で声を掛けられました。

 

 

空間、雰囲気、室温、コーヒー、温度、カップ、そして店員さんの声掛け、心遣い、笑顔。
朝からとても気分が良くなりました。

 

 

これが私のセレンディピティ。

 

 

勢島 英

先日、アクロス福岡にジャズを聴きに行きました。

 

「狭間美帆&デンマークラジオ・ビッグバンド」

 

 

狭間美帆さんは、2016年にアメリカのダウンビート誌で“未来を担う25人のジャズアーティスト”にアジアで唯一選ばれた方で、作曲家であり、アレンジャー。そして、なんと伝統あるデンマークラジオ・ビッグバンドの現首席指揮者です。

 

結構オジ様方が多いこのバンドの中、若い女性の指揮者が入場してきたときは、なんとも不思議な画の面白さがありました。

 

そして狭間美帆さん、細い! 身体は僕の半分くらい、足は僕の1.5倍くらいの長さでした。。。

 

 

でも指揮はパワフルで、繊細で、なにより指揮者の狭間さんを初め、プレイヤーが皆楽しんでいるのを感じて、聴いている私の方もとても気持ちが良かったです。

 

CDが販売していたので購入。帰りながら聴いてみました。

 

CDもとてもよくて、完成された音楽がそこにはありました。

 

ただ、たぶん先にCDを聴いていたらおそらくわからないであろうことがたくさんありました。

 

 

まず、狭間美帆さんがこんなに楽しそうに素晴らしい指揮をしていることの重要性。

 

そして、プレイヤーが楽しんでいること。CDにはない、“遊び”の音楽が散りばめられていたこと。テナーサックスのおじさんがメチャメチャかっこいいアドリブをすること。高身長(大抵、デンマークの方は高身長)でイケメン俳優のような方がきれいなトロンボーンの音を出すこと。トランペットのハイトーン(高い音でかなり難しく、きついらしい)を簡単なように連発し、音を外さないトランペッターが5人もいたこと。ハーレーのバイクに乗っていそうな髭ボーボーで体がでっかい人が繊細で美しいピアノを弾いていたこと。CDではサックスやクラリネットやフルートの音がたくさんありましたが、実はサックスの人たちが他の楽器を持ち換えて吹いていたこと。

 

まだまだたくさんありますが、これらは実際に「対面」でないとわからないことです。

 

狭間美帆さんはニューヨーク在住らしいのですが、新型コロナによるロックダウンで、何カ月もアパートの部屋から出られない状況だったそうです。

 

 

今回の日本講演は、人の前で演奏できる喜びを爆発させているような印象がありました。

 

新型コロナの影響で、良くも悪くもテレビ電話とか、リモート会議、リモート研修会、さらにはオンライン受診、薬局でいえばオンライン服薬指導が進んでいます。

 

これらは便利であるのですが、人と人が実際に会うのとは、やっぱり同じではありません。

 

 

人の表情、声、しぐさ、体温、雰囲気、におい、周りの雑音、自然の音、そんなことが合わさって、「人と会う」ということです。

 

画面で話して、人と合っていることにはならないのです。

 

 

 

 

川島隆太 著「オンライン脳」でも、オンラインのコミュニケーションでは、共感や協調は生まれないということが、データで示されています。対面コミュニケーションで起こる脳の同期、脳の活動の動きが、オンラインコミュニケーションではそれが起こらないということです。

 

 

 

 

リモートがすべて悪いわけではありません。オンライン診療やオンライン服薬指導に関して言えば、新型コロナ第8波に突入した現在、近くに病院がない地域の方、動けない方等、これからはもっと需要が高まるでしょう。病院や介護施設では新型コロナ対策で面会ができない中、なんとかテレビ電話等で家族の顔をみれる、話ができる、それだけでも救われる方がたくさんいらっしゃると思います。

 

 

 

ただ、人と人が会っていることと同じではない、ということです。

 

今回の狭間美帆&デンマークラジオ・ビッグバンドを聴きに行って、やっぱり生演奏って素晴らしいな、と改めて感じました。

 

 

今まで当たり前だった「人と人」が会うこと。

 

荷物も宅配ボックスではなくて、配達してくださった方に「ありがとう」と言おう。

 

レストランでも作ってくれた方、運んでくれた方、片付けてくれた方に「ありがとう」と言おう。

 

スーパーやコンビニの店員さんに「ありがとう」と言おう。

 

「いいね!」ボタンではなく、ちょっとしたことでの「ありがとう」を、今ヒトは求めているのではないでしょうか。

 

 

狭間美帆さんとデンマークラジオ・ビッグバンドの方々には直接「ありがとう」とは言えませんでしたが、「ありがとう」の気持ちを込めて精一杯拍手をしました。

 

 

勢島 英

先日、久しぶりに高校の吹奏楽部の定期演奏会に行ってきました。

 

大濠高校吹奏楽部。

 

友人のお子さんが入っているので、チケットを頂きました。

 

私自身、吹奏楽からはすでに十数年離れていましたので、ほんと久しぶり!

 

高校生たちのエネルギー溢れる音楽に圧倒されました。

 

他の部活もそうですが、この大濠高校吹奏楽部の3年生もコロナ禍に入学し、
そして思うような練習や演奏会ができないなか、皆で頑張ってきた。

 

そして先生方やご家族も一緒に新型コロナと闘ってきたんですね。

 

今回の大濠高校吹奏楽部の演奏会は、高校3年間という限られた中で、
この部員、この指揮者、このホール、この観客だからこそ生み出された、唯一無二の音楽。

 

とても感動しました。

 

 

 

皆さんは同じ楽譜なのに、
なんで演奏者や指揮者によって音楽が違うのだろうと不思議に思ったことはありませんか?

 

記憶に新しい、ショパンコンクールなんて特にそうですよね。

 

皆がピアノ(またはピアノ+オーケストラ)でショパンの曲を演奏する。

 

しかもこのコンクールに出られるピアニストは皆すごい方ばかりなのに、そこからさらに順位がつく。

 

私にはなにをどう評価しているのかわかりません。

 

反田恭平さんはショパンコンクールに向けて、
一番いい音を出せる体重に調整したとおっしゃっていました。

 

凄いですね・・・

 

吹奏楽のコンクールも課題曲がありますが、
それも同じ楽譜なのに各団体によって音楽が少しずつ違う。

 

私の好きな本で、河合隼雄 著『こころの処方箋』という本があります。

 

この本の中に「同じ『運命』でも演奏次第で値段が違う」ということが書いてあります。

 

ダッダッダッダーンでおなじみのベートーヴェンの『運命』も、
演奏するオーケストラや指揮者によって違うということ。

 

そして、ヒトの『運命』も、楽譜のように決まっている条件があり、
そこには抗えないかもしれませんが、ただどう生きるかでその『運命』は変わってくる。

 

まだまだコロナ禍、とどまることを知りませんが、音楽に限らず、
今だからこそできる自分の『運命』を作り出せたらいい。

 

 

 

 

 

フジコ・ヘミングさんのエッセイにこうありました。

 

「私は、私なりの弾き方をやり通そうと思っている。
誰が弾いても同じなら、私が弾く意味なんかないじゃない」

 

 

自分の『運命』の楽譜を持って、たまには弾き方を変えたり、弾き直したり、
時にはアドリブやフェイクを加えながら、人生進んでいけたらと思います。

勢島 英

この方をご存じですか?

 

 

ニューヨーク在住のジャズピアニスト、海野 雅威(うんの ただたか)さん。

 

 

メディアでも取り上げられましたが、2020年9月、ニューヨークで活動していた海野さんは、コロナ過のアジアンヘイトクライムで、ニューヨークの地下鉄駅で暴行を受け、右肩を骨折。

 

 

この傷ではピアニストとして復帰できないのではないかと言われていました。

 

 

しかし身体的にも精神的にも大きな困難を乗り越え、復活。

 

 

2022年3月についにアルバムをリリースされたのです。

 

 

 

『get my mojo back』

 

 

“mojo”というのはアメリカのスラングで、
神秘的な力とか生命力とか本来の能力とかを意味するそうです。

 

 

 

『自分を取り戻せ』

 

 

 

ある記事のインタビューで海野さんは、「そういうニュアンスもあるけど、自分のことだけではなく、このパンデミックによる閉塞感や不安定な世界情勢のなかで、今こそ一人一人が力を貯めて乗り切っていこうという気持ちも込めている」と言っていました。

 

 

歳は41歳。  同世代じゃないか~!

 

 

悲しいアジアンヘイトクライムでしたが、彼の心を助けたのもまたいろんな国のいろんな人種のミュージシャンたちであり、世界中のファンだった。

 

 

ホームページを見てもらったらわかりますが、そんな酷い目にあったにも関わらず、とてもやさしい表情をされています。

 

 

CDを購入しました。

 

 

やさしく、美しいピアノです。

 

 

海野さんのリーダーアルバムですが、サックスやトランペットなどのホーンセクションを前に出し、海野さんはそのバックでやさしく見守り音を楽しんでいる感じ。

 

 

ホームページやYouTubeでも一部レコーディングの光景が見れるので、よかったら見てみてください。

 

 

 

『get my mojo back』

 

 

 

確かにメッセージは受け取りました。

 

 

 

 

私たちはまだまだやれる。

 

 

 

 

新型コロナウイルス感染症の早い収束、そして世界平和を願って。

 

 

 

 

やさしい薬局 勢島 英

 

福岡の小学校の卒業式が終わりました。

 

 

私たちの薬局スタッフの子では、我が家の息子も含め4名が小学校卒業、1名が保育園を卒園。

 

 

成長して嬉しいような、少し寂しいような、時間の流れが速く感じるような、
いろんな感情が湧いてきます。

 

 

私が大好きな本の一つに『河合隼雄の幸福論』という本があります。

 

この本の中に、

 

 

「親が子どもの幸福を勝手に作り出し、それを子どもが幸福だと信じることで、
自分が安心したがっているのではないか、考える必要がある」

 

 

そして、

 

 

 

「子どもの幸福の一番大切なことは、子ども自身がそれを獲得するものだ、ということである。
とは言っても、それを「見守る」ことは、何やかやと子どものためにおせっかい焼きをするよりも、
はるかに心のエネルギーのいるものである。」

 

 

とあります。

 

 

私もつい勉強や行動に対して口酸っぱく言ってしまいますが、
それは子どもたちが自分たちの、
親の思い通りに動かないことに対しての苛立ちをぶつけているだけだと反省することも多々あります。

 

 

いつだったか、
息子が小学校で習った新川和江さんの詩「わたしを束ねないで」を読んでくれたことがあります。

 

 

河合隼雄さんもこの本の中でその詩を取り上げています。

 

 

わたしを止めないで

標本箱の昆虫のように

高原からきた絵葉書のように

止めないでください

わたしは羽ばたき

こやみなく空のひろさをかいさぐっている

目には見えないつばさの音

 

 

「優等生」とか、ある種の「勲章」とかも、その人にピン止めをしているのではないか。

 

 

その時は美しく見えても、それがその人の自由や行動を制限するものになっていないか。

 

 

河合隼雄さんはそう危惧していました。

 

 

大人になればなるほど、人はいろんなものに「束ね」られます。

 

 

だから、せめて子どものときにはできるだけ「ピン止め」せずに、自分の世界に没頭し、
それを広げてもらいたいと思います。

 

 

 

 

偶然なのですが、
このウクライナ戦争が始まる少し前からロシアの作家トルストイの『戦争と平和』を読んでいました。

 

 

 

 

この本は、ナポレオン率いるフランス軍がロシアに侵攻してきたところが市民目線で書かれています。

 

 

最初は普通の小説のようでしたが、
4巻から急にトルストイの解説が入ってきます(光文社古典新訳文庫)。

 

 

戦争はこの世で一番忌まわしい事業だ。戦争をゲームにしないことだ。
戦争の目的は殺人だ。
ボロジノの会戦でナポレオンは誰にも鉄砲一つ撃ってはおらず、誰一人殺していない。
すべては兵士たちが手を下したのだ。

 

 

ドラマ『ミステリと言う勿れ』でも、バスジャック犯が、
「逃げた奴のせいで他の奴が死ぬことになる」と言ったことに対し、整君が言いました。

 

 

「責任転嫁しないでください。手を下したのはあなたです。」

 

 

兵士は上の命令だから殺すのか。自分が殺そうと思って殺すのか。

 

 

どちらにせよ、殺したのはその人であり、その苦悩はその人にしかわからない。

 

 

殺された人の家族や友人の本当の苦しみも、その人たちにしかわからない。

 

 

指示を出しているだけの人にはわからないのです。

 

 

トルストイは戦争を通して、人々の苦しみや愛について書いています。

 

 

ロシア軍の総司令官クトゥーゾフ将軍は、
フランス軍が撤退するときに追い打ちをかけてナポレオンを捕えなかったことから、
ナポレオンにビビったとか、ナポレオンと密約をしていたんじゃないかとか
後世の歴史家からもいろいろ言われたようです。

 

 

でもクトゥーゾフ将軍は国民の感情を知っていた。国民が何を望んでいるのか。

 

 

だから人間を殺し滅ぼすのではなく、救い憐れむことに最後まで力を傾注した。

 

 

新型コロナウイルス感染症や地震などの自然災害は何の慈悲もなく人の命を奪いますが、
戦争だけは人が防げるもの。

 

 

どうせいつかは太陽も地球も無くなるのだから(何億年後かもしれませんが)、
それまでみんなで仲良くできないものか、
というのは平和な日本に住んでいる自分のエゴでしょうか。

 

 

坂本龍一さんの「Merry Christmas Mr.Lawrence(戦場のメリークリスマス)」をピアノで練習して、
昨年12月の発表会(コロナ過でビデオ撮影会でしたが)で弾きました。

 

 

クリスマスシーズンの雰囲気は好きですし、
子どもたちがプレゼントをもらって喜ぶ顔を見るのはなにものにも変えられない喜びではありますが、
その一方、新型コロナウイルス感染症だったり、戦争だったり、飢餓だったりと、
困難な状況と闘っている人たちがいることを忘れないためにも、
自己満足ではありますが、これからも指が動く限り、この曲を弾き続けようと思っています。

 

 

ありきたりな言葉ではありますが、世界が平和になりますように。

 

 

世界の子どもたちがつばさを広げて自由に羽ばたけますように。

 

 

卒業おめでとう。

 

勢島 英

2022.01.11 /

新年が明けました。寒い日が続きますが、皆さま体調を崩していないでしょうか。

 

 

初夢、という言葉があります。

 

 

今年の初夢は覚えていますか?

 

 

私の初夢は、「エコバックを大量に買って、用途によって使い分ける」という夢を見ました(笑)

 

 

普段エコバックはたいてい一つしか持ち歩いておらず、それすらも出し忘れる場合がある私が、
なぜそんな夢を見るのか?と逆に面白くも思います。

 

 

通常私は毎日毎日、仕事の夢しか見ません。

 

 

薬が足りない夢とか、何か知らない薬が出てくる夢とか。

 

 

夜中にガバッと起きて、夢に出てきた知らない薬をすぐに調べたこともあります。

 

 

これは、悪夢、でしょうか(笑)

 

 

副作用に“悪夢”という記載がある薬も実際にあります。

 

 

患者様からも「これを飲みだすと悪夢を見るようになった」と言われることがあります。

 

 

そんなとき、「あなたの悪夢ってどんな内容ですか?」と深く聞いてみたいのですが、
なかなかそこは突っ込んで聞きにくい部分ではあります。

 

 

夢というのは、
「睡眠中にその日の記憶の整理を行っている脳の状態である」とある本に書いてありました。

 

 

それなら、ほとんど仕事に脳を使っている毎日で仕事の夢を見るというのは
理にかなっているといえます。

 

 

ただ不思議なことに、私は仕事始めの1月4日の明け方に見た夢が、仕事の夢だったのです。

 

 

明日から仕事、と少しは思っていましたが、日中は子どもたちと遊んだり、
好きな本を読んだり、ピアノを弾いたり、ほとんど仕事のことは考えていませんでした。

 

 

脳がその日の記憶の整理だというのなら、もっと違う夢を見てもいいのでは?

 

 

なのに、仕事が始まってないのに仕事の夢を見た。

 

 

もう私の脳は一足先に仕事モードに入っていたのでしょうか。

 

 

夢は誰でも3~5個くらい睡眠時に見ているらしく、
最後の、とくに眠りの浅いレム睡眠時に見た夢を覚えていることが多いそうです。

 

 

そうなると、今度は「夢の不思議」が気になって、
本棚から私が大好きな河合隼雄さんと谷川俊太郎さんが対談した本
「魂にメスはいらない」
を引っ張り出し、夢について書かれたところを読んでみました。

 

 

河合隼雄さんは心理カウンセラーですので、夢についても治療に使うことがあったそうです。

 

 

一方、谷川俊太郎さんは詩人。夢に関しては、谷川さんはいつもあまり覚えていないそうですが、
他の作家さんでは夢で原稿料を稼いでいる人がけっこういます、なんておっしゃっています。

 

 

この世で生きていく上で、自我というのは非常に大事。夢にはそれと違う次元のものが出てくる。それに注意を払おうとしたって、次元が違って自我意識に取り入れにくいものだから、忘却して当たり前。分析を始めると夢を見るようになるというか、覚えるようになる。みんな夢は見ているんですよ。”

                     「魂にメスはいらない」より一部抜粋、改変

 

 

なるほど、わかったような、わからないような。

 

 

 

自分でも悪夢は見たくないし、患者様にも副作用で悪夢なんて見て欲しくないので、
なにか「悪夢のメカニズム」や「悪夢を見なくてすむ方法」とかわかればいいと思って
インターネットで調べると、専門家がいろいろ書いていらっしゃるのでよかったら見てみてください。

 

 

とにかく、睡眠時の夢よりも、目標としての夢を今年はもっと考えようと思います。

 

 

世界中の新型コロナウイルス感染症が今年は終息に向かってくれますように。

 

 

勢島 英

 

 

 

 

朝晩が寒くなりましたね。

皆様、体調はいかがでしょうか。

私はこのお菓子が、「夏」から「秋」に変わった時に「ああ、もう秋か」と感じましたが、

それからまだまだ暑い日が続き、やっとやっと寒くなってきたなと今、物思いにふけっています。

 

 

新型コロナウイルス感染症が発見されてから、もう2年が経とうとしています。

マスクには慣れましたか? 生活は? 仕事は?

日本ではだいぶ感染者は減っていますが、まだまだ油断できませんね。

 

 

さて、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、いろいろなことが変わりました。

 

 

今回は、私にとっての「変わるもの」「変わらないもの」を書こうと思います。

 

 

少し前の話ですが「レゴフレンズ」というアニメが民放で再び始まり、娘と見ました。

見てビックリ。登場人物は同じなのですが以前の絵ではなくキャラクターの顔、声も違う。

以前のレゴフレンズが好きだったので、娘もちょっとがっくり。

でも、しばらく見続ければ慣れるでしょうか。

 

 

我々もドラえもんの声が変わった時はショックだったけど、今はすっかり慣れましたよね?

(水田わさびさんに代わってもう15年以上経っている!)

えっ?慣れてない?

 

 

「バットマン」もクリストファー・ノーラン三部作のクリスチャン・ベールのバットマンがサイコー!

と思っていましたが、ベン・アフレックのマッチョなバットマンを見ると、これはこれでイイネ!と思う。

 

今度新しいバットマンがまた映画でありますが、それはそれで受け入れられる気がします。

 

 

その一方、未だに受け入れられないものもあります。

 

 

「トリック」という大好きだったドラマシリーズがあります。

阿部寛さん、仲間由紀恵さんが主演で、監督は堤幸彦さん。

最高に面白く、スペシャルドラマ化、映画化もされました。

そのエンディングテーマは鬼束ちひろさんが歌っていました。

トリックの世界観と歌声がマッチし、最高の組み合わせ。

鬼束ちひろさんを世に知らしめた「月光」。

そして、ドラマ2シーズン目では「流星群」、

3シーズン目では「私とワルツを」。

どれも素晴らしい音楽。

 

と、思っていたら、ドラマの新作スペシャルでは歌手が変わったのです。

新作スペシャル1、2、3、すべて違う歌手。

その方々もちろん素晴らしい歌で良かったのですが、

やっぱりトリックは鬼束ちひろさんでいて欲しかった!いろんな事情があったのでしょうが。

これはDVDを見返した時も、未だに受け入れられません。

(でも完結編の映画では、また鬼束ちひろさんに戻ったので感動!)

 

 

大ヒット漫画「鬼滅の刃」のアニメの続編が始まっていますが、

「無限列車編」の歌は今までと同じく「LiSA」さん。

そして、その続編の「遊郭編」はLiSAさんではなく、「Aimer」さんだとか。

さて、それを受け入れられるか。

うちのスタッフは「Aimer」さんもとてもいいですよ!と言って喜んでいましたが。

 

 

 

思えば、007シリーズは何作か毎に主役のジェームズ・ボンドも変わり、

次は誰だろうという楽しみ方もあります。

ミッション・インポッシブルは、今もなおトム・クルーズががんばってくれていて、7作目を作製中だとか。

 

 

私としては、「変わらないもの」のほうが好きなタイプです。

 

ちょっと時間があれば、観たことのない映画を観るより、過去の映画をもう一度観るタイプ。

 

もちろん興味がそそられれば新しいものも観ますが。

 

本も好きな作家さんの本ばかり読んだり、音楽も好きなミュージシャンの音楽ばかりを聴いています。

 

でもここ数年は、できるだけ新しいものにチャレンジするようにもしています。

 

 

 

 

ダラダラと何を言いたかったのかといいますと、まずは人間の慣れ、順応性はすごいなということ。

 

この新型コロナウイルス感染症の時代、緊急事態宣言にでさえ、よくも悪くも「慣れ」が出てきていました。

 

ただ、その「慣れ」「順応性」がないと、生物は絶滅してしまう、ということもいえます。

 

いかに新しい環境に順応していくか、それで生物の進化が問われます。

 

昔のままがいい!といくら言ったって、自然環境、社会環境は変わっていくものなのです。

 

AI(人工知能)なんて嫌い!

 

ターミネーターが生まれる!なんてわめいても、技術の開発は止まらないのです。

 

 

 

中国では、デザイナー・ベイビーが誕生しました。

何かと言うと、親の望む体質にするように、受精卵の遺伝子操作をして生まれた子どもです。

さすがにこの研究者は逮捕されたようですが、

もう実際にそういう子どもが生まれる“技術は存在する”ということです。

だから、それを批判するばかりではなく、それに必死についていくのではなく、

思考を先に、先に、いかないといけない。

 

 

一方、世界でもっとも収入が多いといわれるAmazonのCEOジェフ・ベゾス氏はこう言っています。

 

 

「10年先は何が変わっているか、という質問はよく聞かれるが、10年先に何が変わってないか、はあまり聞かれない。何が変わるもので、何が変わらないのか。10年経って何が変わらないものなのかが重要だ」

 

 

薬局も医療も「変わるもの」「変わらないもの」を常に考えていなければいけません。

 

そして「変わるべきもの」「変わらずにいるべきもの」も。

 

私もそれを考えます。いつもの蕎麦屋さんでいつもの変わらない好きな蕎麦を食べながら。

 

勢島 英

 

 

つい先日、予約していた新発売のCDが届きました。

 

カーペンターズの兄、リチャード・カーペンターのピアノ・ソロアルバム「PIANO SONGBOOK」

 

カレンの素晴らしい歌声は過去の中でしか聴けませんが、

リチャードがカーペンターズの楽曲にピアノで新しい命を宿します。

とても温かく包み込まれるようなやさしい音色でした。

 

 

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