数十年ぶりにサックスアンサンブルで演奏しました!
縁あって、「Ensemble-K」というサックスアンサンブルチームに参加させてもらったのです。
僕は高校の吹奏楽でサックスを始め、
大学では吹奏楽をやりながらボランティアであるピアニストの方と二人で養護施設などを周りました。
大学院時代も吹奏楽をし、社会人になってからはピアノ教室のみんなと発表会で演奏したり、
地域の夏祭りで演奏したりしています。
結構、サックス人生としてはいろいろやって、
ある程度満足していたのですが、唯一の心残りがサックスアンサンブルでした。
これが非常に難しい。
ご存じでしょうか、
サックスにもソプラノ、アルト、テナー、バリトンがあることを(実はもっと種類はあります)。
何が難しいかというと、まずバリトンサックスを持っている人が少ない(笑)
値段が高いし、大きくて重い! そして吹くのが難しい!
さらに、アンサンブルは人数が揃わないと演奏ができませんが、
練習や本番の日程を合わせるのが難しい。大人は特にそうですよね。
それと、情熱。
音楽に対する情熱、いい音楽を届けたいという情熱、いい音楽を奏でたいという情熱。
その足並みが揃うのも、また難しいのです。
しかし、このEnsemble-Kの皆さんは10年以上続けている。
いろんな大変なこともあったようですが、それでも続けている。
本当にすごいことだと思います。
バリトンサックスの小田さん(バリトン以外も上手!)に昨年から誘われていたのですが、
なかなか今から新しいことを始めるのに勇気がありませんでした。
中途半端に入ってもチームの皆さんに迷惑をかけてしまうだろうし、
仕事も子育ても忙しいし、自分がまたそこまでの情熱をもってできるだろうか、と。
ただ、思ったのです。
社長になって、仕事がさらに忙しくなって疲弊して、
でも毎日疲弊している姿を薬局のスタッフに見せるのか。
毎日疲弊している姿を妻や子供たちに見せるのか。
患者さんに見せるのか。
音楽への情熱を取り戻すことで、毎日の精神面にもいい影響があるのではないか。
生き生きとした姿を見せられるのではないか。
せっかく音楽仲間であるりょうすけ内科外科の山口医師が、
「勢島君にぜひ会わせたかった」といって小田さんを紹介してくださり、
こんなチャンスをもらったのに、ここで行動しなくていいのか。
小田さんからは「気軽に参加して」なんて言われましたが、とても気軽には参加できない(笑)
でも、やってみることにしました。
Ensemble-Kは、ホームページには5名の名前が載っていますが、
そのほかにも数名いて、いろいろ都合に合わせてメンバーを代えて演奏しています。
なので、今日はアルト、来週はテナーとか、メンバーに合わせて楽器を持ち換えたりしています。
先日、吹奏楽祭という音楽の祭典が福岡サンパレスでありました。
そこで僕はEnsemble-Kデビューです。
曲は「わが美しき故郷よ」と「千本桜」。
この日は、ソプラノ2人(うち一人が僕です)、アルト2人、テナー2人、バリトン1人の計7人。
僕はもう一人のソプラノのゴローさんがとても上手なので安心していたのですが、
当日ゴローさんが急に「今日は『わが美しき故郷よ』はクラリネットで違う部分を吹くから」と。
な、なに~! ソプラノパートは僕一人になるではありませんか!
急に緊張MAX。本番は極度の緊張で倒れそうでしたが、なんとか(間違えながらも)吹き切りました。
でもあとからまたいろいろ考えました。
アンサンブルって、一人一人の役割と責任があり、それが調和することでいい音楽を生み出す。
これって仕事も同じじゃないですか?
特に薬局のように少ない人数で仕事をするところって、アンサンブルと同じではないでしょうか。
サックスは人の声と同じように、一人一人音が違います。
例えば僕の楽器を違う人が吹いても、同じ音は出ないのです。
仕事もアンサンブルも、一人一人が自分の役割に責任を持って、
しっかり切磋琢磨し、お互いに刺激を与えつつ、調和する。
そうすることで、そのメンバーだからこそできる、新たな価値が生まれるのだと思います。
ごまかしはできない。
でも、未熟であっても一生懸命、誠意を持ってやれば、気持ちは伝わります。
そして、みんなで成長する。
そんなサックスアンサンブルと薬局アンサンブル、がんばっていこうと思います。
毎月、第2月曜日の夜、福岡市中央区大名にある「ワンドロップ」というミュージックバーで、
20時30分頃と21時30分頃の2セット、Ensemble-Kが演奏しています。ミュージックチャージは無料。
とても素敵なお店です。
僕も都合が合う日は参加させてもらおうと思っています。
さて、これを書いている今日は久しぶりに何もない日曜日。
暑さのためか早朝に目が覚めたので、コソっと家を出て、歩く。
近くに大きな川があって歩く道も整ってあるのですが、
人が多いのが苦手なので、小さい川の方によく行きます。
なぜだろうか、人が多いところではしない挨拶も、
人が少ないところではすれ違いに「おはようございます」ってお互いに挨拶をします。
今日は先日亡くなったフジコ・ヘミングさんのピアノを聴きながら歩きました。
川辺に、わんと飛び出した紫陽花を発見。
それを見に反対側に行くと、今度は猫がチラチラと後ろを振り返りながら歩いている。
視線の先には僕しかいなかったので、
猫の恩返しかと思って(何も恩をきせた覚えはないのですが)、ついて行く。
行き先はある民家。
そこに何かあるのだろうか。
僕は小説好きなので、「村上春樹さんの小説なら、その家に入っていくだろうな」と思いつつも、
ちゃんと理性が働いて、猫と別れて帰路につきました。
勢島 英