早いもので、もう年末。あっという間の一年でした。
一緒に働いている全スタッフにはあらためて感謝しています。
セジマ調剤薬局薬院、セジマ調剤薬局天神、
調剤薬局ウエル、やさしい薬局長尾店、
ウエルケア訪問看護ステーション。
ともに近隣病院の変化、スタッフの変動、在宅訪問の仕事の変化等、
様々な問題にみんなで対応してくれました。お疲れ様!
それと、調剤薬局ウエルの薬剤師東さんのチャレンジ。
小郡市介護予防事業の一環として、「東野フレイル予防講座」(令和7年10月29日)に、
東野校区コミュニティセンター(ひまわり館東野)で講演しました。
内容は『薬局の役割と薬剤師の活用について』です。

薬局薬剤師の仕事やマイナンバーカードについて、
災害時の対応や介護・ケアマネージャー・多職種連携の重要性についてなど、
しっかり話してくれました。
薬局薬剤師って、日頃から薬が必要のない方や、
例えば高血圧等の慢性疾患で1つの薬しか飲んでおらず
何年も同じ薬をもらっているような方から見れば、
「ただ薬を集めて渡しているだけ」と思われることもまだまだ多いかもしれません。
実際、薬局の調剤室の中では、
処方せんの記載ミスを訂正したり、用量用法や飲み合わせの確認をしたり、
個々の体調の変化に合わせた処方内容であるか、しっかりと見極めています。
一歩間違えば、患者さんの命に関わるので。
昔、「王様のレストラン」という僕がすごく好きなドラマがありました。
フランス料理店の話で、厨房でいろんな問題が起きます。
でもお客様には、何事もなかったように、当たり前のように料理を提供する。
当時の松本幸四郎さんがドラマの中で、「これがレストランです」って言います。
薬局も同じだな、って思いました。
裏でいろんな問題があっても、何事もなかったように薬をお渡しする。
しっかりと患者さんとお話して、医師の意図した治療選択が最大限に活きるように努力する。
「これが薬局です」
ただ近年、それが見えないばかりに、
薬局薬剤師は「薬を取って渡しているだけ」という誤解が多くみられるようになりました。
行政にも、一般の方にも、他の職種の方にも。
ですから、我々としても、仕事の「見える化」というのは、重要になっています。
人と人との繋がりの仕事ですので、なかなか「見える化」は難しい。
それは、データでは表せないからです。
私たちは薬局の外に出て、直接地域住民の方と話して薬局の活用法をお伝えする。
行政や、他の職種の方、自治会の方とお話しし、みんなで地域包括ケアシステムを構築する。
そのような努力をしているところです。
調剤薬局ウエルの東さんは、薬学部卒業後、長年ずっと当社で働いてくれている薬剤師。
ただ、このように地域の方の前でお話するのは初めてです。
最初は、全部僕がスライドも準備して、話す内容も指導して、って思っていましたが、
途中からは自分でしっかり考えてくれました。
他のスタッフに聞いたら、「毎日、頭を抱えてスライド作りがんばっていますよ」って。
当日、僕も一緒に行きましたが、立派に講演してくれて、感動しました。
がんばった東さん、そして東さんを支えてくれたウエルのスタッフの皆さん、ありがとう。
このような薬剤師の努力を続けることは、日本の社会の役に立つのだと信じています。
やさしい薬局長尾店では、
11月18日、第14回宝台健康アカデミーを
UR都市機構、福岡大学薬学部(教員、学生)、
近隣薬局(オリーブ薬局、きらきら薬局長尾店、マーク薬局、サツマ薬局、クリーン薬局)
とともに開催しました。
今回のトピックスの一つは、残薬問題。
福岡大学薬学部の教員、牛尾聡一郎先生に話をしてもらいました。
福岡大学薬学部では、「ふくやくプロジェクト」として、
学生さんたちがグループに分かれて、自分たちで薬に関する問題と解決策を考えるという取り組みをしています。
今回は、この一環として、残薬を使って絵画を作るという学生さんたちのすごい発想。
近年、残薬(処方されているが使われておらず、自宅に残っている薬)は
医療費の問題から非常に問題視されています。
こんなアートが作れるほど、残薬がある。

絵の鑑賞とともに、残薬問題を牛尾先生から団地住民の方に伝えていただきました。
残薬は薬局に持ってきていただければ、
医師に伝えて処方日数を調整したり、
なぜのみ忘れるのか、なぜ余っているのか、を一緒に考えて、
生活時間にあった時間帯にのみ方を変更したり、
問題点を改善することができますので、ぜひ薬局にご相談ください。
2つ目は「健康と家電~冬に向けての家電の準備~」として、
町の電気屋さん「アトム電気 VIEW福大前店」の清田良平さんに話をしてもらいました。
清田さんは20年以上前からお世話になっている電気屋さんであり、僕の音楽仲間でもあります。

なぜ電気屋さんに話してもらったかというと、
これからの超高齢社会、医療・介護だけではなく、
他の職種の方々とも一緒に問題に向き合い、
考えていかなければならないと思ったからです。
ずっと喘息が悪化して、薬だけが増えていく患者さんがいました。
エアコンのことを詳しく話を聞くと、かなり古い型で、
しかも高齢独居なので、エアコン掃除が何年もできていない、とのこと。
早速電気屋さんに連絡し、掃除をしてもらっただけで、
症状が改善し薬を減らすことができました。
また、食事がとれなくなり、弱っていった方。
話を聞くと、電子レンジが壊れてあまり食事がとれなくなった。
でも、電気屋さんに買いにいけないとのこと。
この方にもすぐに清田さんを紹介し、新しい電子レンジを購入。
そして、また食事がとれるようになりました。

このように、人々の生活には医療だけではなく、いろんな問題が混在しています。
これからも地域のみなさんの生活を支えていくためには、
いろいろな職種の人たちが一緒に協力する体制が必要だと考えます。
こんな感じで、僕にとっての2025年は
今年も患者さんのために、地域のために、
薬局として、薬剤師会として何ができるかを考え、
挑戦して、また考えて、という一年でした。
のんびりしている時間はない。
来年は、もっと行動していきます。
そして12月21日は、ライフケア大手門の入所者さんたちのクリスマス会で、
サックス四重奏のボランティア演奏。
入所者の皆様、スタッフの皆様がとても喜んでくださって、こちらまで元気をいただきました!
本年も、私たちやさしい薬局グループを支えてくださった皆様に心より感謝いたします。
では来年、また笑顔でお会いしましょう!
勢島 英
福岡のやさしい薬局 セジマ調剤薬局
810-0022
中央区薬院2丁目6-1(薬院)
tel : 092-762-2130 / fax : 092-762-2132
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